大沢温泉ホテル 依田之庄

梅雨真っ只中の7月某日。

本当は梅雨が明けてから行こうと思っていたのですが・・・
たまたま空室を見つけたのでフライングして出かけてみました(^^)

ということで今回のお題は、


依田さんちに泊まろう♪です。



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※注意!
この記事の前半部分は日本史が嫌いな方には危険です(笑)
自信のない方は写真部分まで読み飛ばしてくださいm(__)m


依田氏の興りは、平安時代末期。
信濃源氏の一族の信濃守源為公の六男「依田六郎為真」が、今の長野 県小県郡丸子町に、依田城を築いたのが始まり。

その後、このお城で源義仲が旗揚げし、平家追討の戦いが始まるわけですが、やがて義仲の軍が源頼朝によって破られると、義仲についていた依田一族も各地に逃れ散っていき、その末裔である依田義胤が南北朝初期に再び長野の依田之庄で依田城を再構築したのだとか。

この方がこちらの旅館の依田家のご先祖様(と言われている)だそう。

なにせ長い歴史があるので、説明を聞いていると南北朝に始まり室町、戦国、安土桃山、そして江戸と、教科書の歴史をほぼ網羅するほどのボリューム(^_^;)


・・・ということで室町から安土桃山まではバッサリと


割愛。


時は移り、なんやかんやで江戸時代。(端折りすぎ!?)

落人として伊豆で隠遁生活を送る依田氏でしたが、三代目の佐次兵衛貴長になり、ようやく復興の兆しが見えたとか。母屋と土蔵の一部は、元禄年間に13年の歳月をかけ、この三代目によって作られたものだそう。

こちらが母屋。
今はロビーになっています。
こちらが土蔵。
今は資料室とバーになっています。
















この頃の依田氏は回漕業を営んでいたんだそうです。

またまたすっ飛ばして時は十一代目の佐二平三の時代。(やっぱ端折りすぎかしら。。。)
この時代になると、ペリーさんが下田にやってきて文明開化の花が咲き・・・

依田家はいち早く新しい文化を取り入れ、自邸内で塾を開いたり静岡県下初めての製糸工場を作ったりと手広く発展。
製糸業については富岡(群馬県)、室山(三重県)と共に「日本の三大製糸」と言われたとか。

と、順風満帆な依田家ですが、大正時代に入り、製糸業の衰退期を迎え、追い討ちを掛けるように関東大震災が起こります。
輸出前の商品(生糸)が倉庫ごと燃え尽きてしまう悲劇により、廃業を余儀なくされたのだそう。

っとまぁ、端折ってもこんなに長~い歴史の依田さん家。

詳しい説明は、宿泊者向けに夜8時頃から母屋で歴史説明会が開かれていますので、興味のある方は参加してみると良いかもしれません。







到着するとまず見えてくるのがこの大きな水車。
梅雨の蒸し暑さを吹き飛ばしてくれるような涼やかな光景でした。


















障子の玄関をくぐるとすぐにある囲炉裏。
庄屋土間の雰囲気がなんともノスタルジックです。

真っ黒に磨き上げられた大黒柱は迫力があります。

照明が少ないのでロビーはかなり薄暗いですが、意外と鮮明に撮影できます♪


















こちらも母屋の中。

この奥には「橘の間」という客室があります。

今回私が泊まったのは別棟の「竹取の棟」です。
和モダンな造りのお部屋で、囲炉裏がついています♪
















部屋に入ると囲炉裏の横に蛇口。

なんとも不自然な位置に蛇口???
と思ったのですが、囲炉裏にかける水を用意するためのものなんですね(^^)

この部屋はベッドと布団の両方が用意されているので、どちらでも好きなほうで休む事が出来ます。
















食事風景。

料理レベルは可もなく不可もなく・・・まぁごくごく普通。
仕出しかな?と思わせる画一的な印象の品でしたが、調理場があるようなので、自作しているものもあるようです。

で、注目なのが「依田家伝統の桶寿司」
これを説明する際、仲居さんが突然語りべ口調になります!
イメージとしてはナウシカの大姥様!?


何気なく料理の説明を聞いているとかなりビックリしますので、仲居さんの説明はちゃんと聞きましょう(^^)

お風呂は撮影するとサービスショットになってしまう(?)ので・・・
HPからお借りしました。

満天の湯

竹取の棟の屋上にあります。
男女入れ替え制になっていますが、 時間配分が男性にはかなり不利な感じでした(笑)

女性:14時~23時
男性: 5時~9時30分




  
男性の皆様、晩酌は翌朝早く起きる事ができる余力を残しておきましょう(^^)

化粧の湯

庄屋の湯と男女入れ替え制です。
内風呂と野天風呂がありますが、野天風呂はかなり低めの温度。内風呂も熱いお風呂が好きな方にはぬるく感じるかもしれません。

女性:14時~23時
男性: 5時~9時30分
庄屋の湯

化粧の湯との入れ替え制。
こちらは内風呂だけですが、化粧の湯よりも視界が開けてゆったり入れます。

女性: 5時~9時30分
男性:14時~23時

写真の奥にあるほうの浴槽は手前の浴槽よりも熱めです。

個人的にはこちらのお風呂の中では庄屋の湯が一番気に入りました。





他にも、山荘の棟に隠しキャラ的貸切風呂があります。
が、ここは行かなくて良い・・・いや、行かないほうが良いかも(^_^;)
サイズ的には大人二人がやっとです。

この日は庭でホタルを見ることが出来ました!
人生2度目の生ホタルでしたが、幻想的で、古い蔵を囲むこの風景にはピッタリ。
結果的には良い時期に行ったようでラッキーな体験でした♪

なにせ山の中なので地蜘蛛がいたり蚊がいたりと、自然に囲まれていますし、冒頭でご説明したような長~い歴史のある建物。
こういった環境がニガテな方にはお勧めできませんが、古さが良い味を醸し出している旅館でした(^^)

泊まりに行く際は「旅館」ではなく、「依田さん家」に泊まりに行く感覚で!